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110919改々
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110919改
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「台風倶楽部」
*
くるかな ? くるかな ?
くるぜくるぜ
おっきい ? おっきい ?
でかいぜでかいぜ
ぐるぐるかな ? ぐるぐるかな ?
ぐるぐるだぜぐるぐるだぜ
きゃーっ
あはははははは
走るなっ !
きゃーっ
やめてやめてやめて
あはははははは
飛ぶなっ !
あれ ?
きゃははははは
あれぇ ?
そこはダメそこはダメ
あああああああ
ちょっとだけちょっとだけ
あはははははは
うるさい ! うるさい ! うるさい !
まぁまぁまぁ
だぁ…まいったぁ
おや、姐御
あはははははは
帰るって言ってたじゃん
蛙 ?
無理
ねぇ
無理 ?
三途が決壊した
まじ ?
まじ
ねぇねぇねぇ
もお死ぬかと思った
死ぬの ?
いや、死なないけどさ
死ねー死ねー
死ぬ死ぬ死ぬ
あはははははは
うるせぇなぁ
あたしの蛙、知らない ?
知らない
指、食べる ?
やっほー
指 ?
あっ、来た来た
おそいぞー
あああああああ次から次に
まぁまぁまぁ
だって
ここが一番頑丈だし
あはははははは
三途が決壊なんて聞いたことないぜ
あたしもこんなの初めてだ
あたしもー
あたしもー
川は溢れるわ山は崩れるわ巫女は賽銭箱にしがみついて離れないわ
あの馬鹿 …
川を流れて遊んでた河童どもは三途に呑まれやがるわ
ばかーばかー
あはははははは
笑いながら呑まれて手ぇ振りながら流されていきやがんの
実弾は禁止っ !
ったく、河童ってぇのは
じゃあ、湖も ?
湖もクソもみんな溢れてつながってら
すべてがひとつになるのね
夢のようじゃないかね ?
あはははははは
ここは浸水しない ?
切り離したから大丈夫 … 痛っ !
蛙、見なかった ?
実弾はやめろっつってんだろーがっ !
喰った
嘘っ !
嘘だよ
でも、入ってきたじゃない
え ?
耳、食べる ?
こいつとか
耳 ?
あはははははは
そいつとかあいつとか、どっから入ってきたんだ ?
あれ ?
な ?
なんででしょう
馬鹿だ馬鹿だ
あはははははは
美鈴 ! あいつを撃ち落せっ !
それは、私が道を通したからよ
あっ、あんたはまたそーやって勝手に
おーい、にとりぃ
お邪魔します
にゃっす
あんたたちはそのへんの隙間にでも潜ってればいーでしょ
うふふふ
… 稲荷ずし作ってきました
にゃ
あ、どーも
にとりぃ、おまえの仲間が三途に呑まれたってよぉ
おいなりさんだおいなりさんだ
お茶がほしいな
あたしは酒のほーが
おまえらなぁ
にとりなら川の様子を見てくるって出てったわよ
…
あはははははは
ああああああああ
美鈴 ! 美鈴っ !
これが狐のおいなりさんか
蛙
あ、けっこういける
えへへ
お酒ちょーだい
あはははははは
熱燗で
美鈴っ !
まぁまぁまぁ
#3
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#2
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「Overflow 2」
12610改
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「Overflow」
魔理沙が溢れる
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「阿求遺言」
130106 #2
211130 #3
*
馬鹿高い戒名など不要である。
墓へは毛髪でも爪でも適当に放り込んでおけば充分である。
遺骸は希望する人外のモノ達に分け与える。
場所、解体方法、分配等の万端は博麗霊夢殿、八雲紫殿の御二方に一任する。
追伸 ― ちゃんと言ったとおりにしないと今度生まれてきたときひどいからな。
「 九代目阿礼乙女阿求の遺言 〜抜粋」
*
九代目阿礼乙女逝去
未聞の遺言
妖怪葬 ?
困惑する人里上層部
呼び出される巫女と魔法使い
高級酒楼サミット
錯綜と混迷
そして丸投げ
*
「いやぁ、いやいやいや」
「まったくまったくまったく」
「いずれなんかやらかすんじゃないかとは思っていたわけだが」
「やってくれたわ ! 最後の最期にまったく」
「なかなかだよな」
「なかなかすぎるわい」
「そーかね ? 」
「そーでしょーが ? やらかすにもほどがあるわよ」
「う〜ん」
「あんたはなんで鼻唄 ? 呼びつけられたときはリグル噛み潰してたくせに」
「あのときはあのとき、今は今」
「なによそれ」
「馬鹿に呼ばれてのこのこ出向きながら静かに笑ってたらそりゃ大人だ」
「なんなさいよ大人」
「無理っ ! なぜなら私は永遠の少女だからだ」
「はっ ! 」
「これから馬鹿の相手しなきゃならんのかと思ったら誰だってうんざりざんしょ ? 」
「あたしが彼らの相手してる間ずっと下向いてお銚子空け続けてたのは誰 ? あたしのお膳にまで箸のばしてたのは誰 ? 」
「誰だ ? 」
「あんたよ ! 」
「しょーがないじゃん、よりにもよって真正面があのフンコロガシなんだもん」
「あげく、いきなり料理噴いて笑いだすし」
「みんなであたしのお肉食べて今度生まれてくるまで憶えててね … ってか ? 魔理沙さん大爆笑」
「悪いわよ、あれであの人達なりに大真面目なんだから」
「馬鹿が真面目な顔すると馬鹿が際立つよな特にあのなんたら道具店当主とかゆー偉そーな腐れダンゴ虫」
「はいはい」
「 … 」
「 … 」
「 … あのチビがそんな可愛いタマかよ」
「 … うん」
「結局、あいつらはなんにも見ちゃいないってこった」
「 … 」
「見てるふり、聴いてるふり、ありがたがってるふり」
「いつものことよ」
「 … まぁな」
「 … 」
「しっかし、あれだ … ここまで面白い奴とは思わなかったぜ」
「面白い ?」
「ああ、正直、見直した」
「そぉ ? 」
「そーだろ ? 良い時代になってきたもんじゃないか、胸がときめくよなぁ」
「は ? 」
「霊夢さんだってときめくだろ ? 」
「いや … べつに 」
「なんでぇ ? 」
「なんでって … 」
「私なんかわくわくして今夜はぜったい眠れないんだぞ ! 」
「だぞ … って言われても」
「なんでときめかないんだよぅ ? ねぇ、なんでぇ ? 」
「なんでもなにもどうしたらときめけるのよ ? この状況で」
「だってさぁ … 」
「 … だって、なに ? 」
「わかんないか ? 」
「わかんない」
「 … 」
「 … 」
「 … 妖怪が人を喰うんだぜ」
「 … 」
「近頃の妖怪ってのは、あまり人を喰わないよな ? 」
「まぁ、私達の周りにいる連中は … 」
「だろ ? どいつもこいつも人の味なんぞ久しく忘れてるような奴ばかりだ」
「良いことよね」
「一度も喰ったことのない奴だってけっこういるだろうしな」
「だから ? 」
「そいつらがあのチビの柔らかお肉をいただくわけだ」
「 … 」
「どうなると思う ? 」
「 … 」
「な ? 」
「 … うん」
「わくわくしてこないか ? 」
「 … ちょっと」
「ちょっと ? 」
「 … する … かな ? 」
「だろっ」
130106
#2
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211130
#3
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